STORY
ベルナデット・シラクは、夫ジャック・シラクを大統領にするため、常に影で働いてきた。ようやく大統領府のエリゼ宮に到着し、自分の働きに見合う場所を得られると思っていたが、夫やその側近、そして夫の広報アシスタントを務める娘からも「時代遅れ」「メディアに向いていない」と突き放されてしまう。だが、このままでは終われない。参謀の“ミッケー”ことベルナール・ニケと共に、「メディアの最重要人物になる」という、華麗にして唯一無二の“復讐計画”をスタートさせる!
フランス映画界の至宝、カトリーヌ・ドヌーヴが最新作で演じるのは、実在する元政治家ベルナデット・シラク。「シラク大統領夫人」として親しまれた彼女を、抜群のコメディセンスと共に、新たな姿でスクリーンに登場させた。本作では1995年にシラクが仏大統領に就任してから、極右のジャン゠マリー・ル・ペンに勝って2期目を務めた2007年までの12年の間を描く。「事実を自由に脚色」したユニークなアイデアと、ベルナデット・シラクの知られざる姿にフランス中が熱狂。公開週の興行収入No.1を記録する大ヒット作品となった。ベルナデットは「大統領夫人」としての仕事すら与えられない時期を経て、参謀ベルナールの「ご自分を解放すれば、道は開けます」との言葉を胸に、自分の好きなように行動することで自立を証明しようとする。時代と寄り添い、ポジティブに変化し発信を続ける彼女の姿に、まずは国民が熱い視線を寄せ始める。そしてその中には、夫シラク大統領のかつての天敵も…?監督は本作が初のドラマ監督作品となるレア・ドムナック。
ベルナデット・シラクは、夫ジャック・シラクを大統領にするため、常に影で働いてきた。ようやく大統領府のエリゼ宮に到着し、自分の働きに見合う場所を得られると思っていたが、夫やその側近、そして夫の広報アシスタントを務める娘からも「時代遅れ」「メディアに向いていない」と突き放されてしまう。だが、このままでは終われない。参謀の“ミッケー”ことベルナール・ニケと共に、「メディアの最重要人物になる」という、華麗にして唯一無二の“復讐計画”をスタートさせる!
*映画タイトルの後ろの()の数字は日本公開年。未公開や映画祭イベント上映の場合は、(未)と制作年を記載
ジャーナリストの家系に生まれ、「Le Printemps des Bonzaïs(原題)」(2009)、フランスの実業家ジャン・マルク・ボレロを追った「Jean-Marc Borello:Ni Dieu, ni maître, ni actionnaire(原題)」(2011)、「L'École du genre(原題)」(2015)など、フランスの政治経済や児童教育に関するテーマを扱ったTVドキュメンタリー映画で、共同監督・共同脚本を務める。2021年から2023年にかけて、ドラマ「エージェント物語」のファニー・シドネーらが監督し、25歳で義理の母親になった女性主人公プルーンの人生を描いた人気TVシリーズ「Jeune et golri(原題)」の脚本に参加。2023年に、フランス映画界の至宝カトリーヌ・ドヌーヴを主演に迎えた本作『ベルナデット 最強のファーストレディ』で初長編監督デビューを飾り、2024年のセザール賞、リュミエール賞で新人作品賞にノミネートされた。次回作には、フランスで20万部以上のベストセラーとなったユベールとザンジムによる話題のバンド・デシネ「Peau d'homme(男の皮)」の映画化を予定している。
1943年10月22日、パリ生まれ。俳優の両親のもとに生まれ、1957年に映画デビューを果たす。オムニバス映画『パリジェンヌ』(1962)への出演で大衆の目に留まり、1962年にロジェ・ヴァディム監督の『悪徳の栄え』(1963)に抜擢され、注目を集める。翌1963年に主演したジャック・ドゥミ監督のミュージカル『シェルブールの雨傘』(1964)のヒットにより国際的スターとしての人気を確立。その後も、実姉フランソワーズ・ドルレアックと姉妹を演じたドゥミ監督のミュージカル『ロシュフォールの恋人たち』(1967)、ルイス・ブニュエル監督作『昼顔』(1967)、ジャン=ポール・ベルモンドと共演したフランソワ・トリュフォー監督作『暗くなるまでこの恋を』(1970)など、名匠たちのもとで多彩な役柄を演じている。2000年代以降の出演作に、フランソワ・オゾン監督の『8人の女たち』(2002)や『しあわせの雨傘』(2010)、アルノー・デプレシャン監督作『キングス&クイーン』(2006)、『クリスマス・ストーリー』(2010)など。2019年、是枝裕和監督と初タッグを組んだ日仏合作『真実』で主演し、ジュリエット・ビノシュ、イーサン・ホークらと共演。本作『ベルナデット 最強のファーストレディ』で、2024年リュミエール賞の主演女優賞にノミネートされた。最新作には、堺正章と共演したエリック・クー監督作『スピリット・ワールド』の公開が控えている。
1963年4月22日、ヴェルサイユ生まれ。フランス国立高等演劇学校で学び、1997年にコメディ・フランセーズでデビュー。ヴィルジニー・ルドワイヤン主演の『ジャンヌと素敵な男の子』(2000)で、1999年エトワール・ドール最優秀新人男優賞を受賞。2002年には、ベルトラン・タヴェルニエ監督作『レセ・パセ 自由への通行許可証』(2003)でフォートローダーデール国際映画祭の助演男優賞を受賞し、翌年にミシェル・ブラン監督による群像劇『キスはご自由に』(未・2002)でセザール賞助演男優賞にノミネートされた。2011年には、カミュの自伝的遺作を映画化したジャンニ・アメリオ監督作『最初の人間』(2012)に出演。近年の出演作に、主演作『12か月の未来図』(2019)やダニエル・オートゥイユ、ファニー・アルダンらと共演したニコラ・ブドス監督作『ベル・エポックでもう一度』(2021)、アルノー・デプレシャン監督作『レア・セドゥのいつわり』(未・2021)、オリヴィエ・トレネ監督作『ジュリア(S)』(2023)、セドリック・クラピッシュ監督作『ダンサー イン Paris』(2023)などがある。
1962年12月18日、オルレアン生まれ。オルレアンの音楽院やフランス国立高等演劇学校で学ぶ。2007年よりコメディ・フランセーズに所属、2024年に名誉会員となる。舞台を中心に、140本以上のTVや映画に出演。2000年代には、ヴァンサン・ペレーズ初監督作『天使の肌』(2003)、ジャン=ポール・ラプノー監督作『ボン・ヴォヤージュ』(2004)、ジャン=ピエール・ジュネ監督作『ロング・エンゲージメント』(2005)、モニカ・ベルッチ主演の『ダニエラという女』(2006)などに出演。その他の出演作に、ウディ・アレン監督作『ミッドナイト・イン・パリ』(2012)、アラン・レネ監督の『風にそよぐ草』(2011)や『愛して飲んで歌って』(2015)、ロマン・ポランスキー監督作『オフィサー・アンド・スパイ』(2022)など。声の出演にクロード・バラス監督作『ぼくの名前はズッキーニ』(2018)などがある。
1985年8月1日、フランス、ブローニュ=ビヤンクール生まれ。両親は俳優のアニー・デュプレーとベルナール・ジロドー。11歳の時に父が監督した『川のうつろい』(1998)でスクリーンデビュー。アリス&ローズ・フィリポン監督のコメディ『Les bêtises(原題)』(未・2015)の演技で、セザール賞およびリュミエール賞の有望若手女優賞にノミネートされる。映画出演作に、レア・セドゥ主演の『美女と野獣』(2014)、レジス・ロワンサル監督によるミステリー『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』(2020)、2020年カンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクション出品のエリー・ワジェマン監督作『パリ、夜の医者』(未・2020)などがある。
COMMENT(順不同)
政治家の家庭ならではの政敵への対抗心、マスコミとの間合いの取り方、
本人のイメージづくり等何ともあからさまで、幾度も吹き出してしまいました。
現実直視とユーモアは、フランス映画特有のものと感心しました。
田中眞紀子 (元・外務大臣)
「自分らしさ」とはいえ、ここは自分中心に考えることの難しい日本。「自分らしさ」を見つける、解放するヒントを、ベルナデット・シラクから学び、エレガントに、ユーモラスに、イデオロギーまでも超えていけ!
和田彩花 (アイドル)
タイトルでもある主人公ベルナデット を、大統領を支えた夫人としてではなく一人の心ある政治家として、「シラク夫人」ではなく「ベルナデット・シラク氏」という名前で私は覚えていたい、そう思わせる映画でした。
怒りをも覚える扱いに対し、コミカルに勇敢に前向きに立ち向かう主人公に勇気をもらいました。
能條桃子 (NO YOUTH NO JAPAN / FIFTYS PROJECT代表)
時代が積み重ねてきた「女性はこうあるべき」「妻はこうあるべき」の呪縛を、ユニークかつチャーミングに解きほぐす超パワフルなベルナデット。大きくなった子供を持つ母親世代にぜひ見てほしい作品です!
辻愛沙子 (株式会社arca CEO / Creative Director)
夫の付属品に収まっていられるほど小者じゃないの、
そう啖呵をきるが如くに立ち上がり、
自らを解放していく姿がたまらず痛快。
演じるカトリーヌ・ドヌーヴの魅力と貫禄にも思わず惚れ惚れ。
知ってた?女って何にでもなれるのよ。
宇垣美里 (フリーアナウンサー・俳優)
ベルナデット・シラクとカトリーヌ・ドヌーヴ。一見この対極的なふたりを結びつけたのは、本作が初長編フィクションとなるレア・ドムナック監督。フランス映画界の至宝と言われる、艶やかなドヌーヴは、「時代遅れ」「いかめしい」と言われたシラク夫人のイメージからは程遠い。ドムナックの賭けは、これをコメディにすることで、たぐい稀なコメディセンスを持ったドヌーヴを起用し、より大衆に訴えかける、楽しくパワフルな娯楽作品に仕立てることだった。
佐藤久理子 (ジャーナリスト、批評家)
『ベルナデット 最強のファーストレディ』公式パンフレットより